大腸がんは、近い将来、胃がん、肺がんを抜き男女をあわせた日本人のがん罹患数、罹患率 ともに1位になると予測されています。健診で便潜血陽性だった、あるいは排便時出血など症状がある場合、大腸カメラの検査を受けるようにしましょう。早期発見、早期治療へとつながります。
しかし、大腸カメラが苦しい検査と聞いていて検査をためらっている方、これまで受けた大腸カメラで苦しかったことがトラウマになって検査をうけられなくなっている方も多くいます。大腸カメラが一般に苦しい検査といわれているのは、2つの原因があります。
一つは、曲がりくねった長い腸に苦痛なく内視鏡を挿入するのは技術的に難しく、空気をいれて押し込んでいくとどんどん腸がのびて痛みがつよくなり、最悪の場合、腸がやぶれてしまうということもあります。
また一つは、検査後に腸管にはいった空気によるお腹のはりが、なかなかとれないということです。当院ではこうした苦痛となる原因を技術的に、方法論的に解決しています。
前者については、空気をまったく入れずに、腸管をたたみながら直線的に入れる方法(無送気軸保持短縮法)で行っていますので、挿入時の苦痛がほとんどありません。
後者については空気のかわりに炭酸ガスを注入することで解決しました。
食事はお渡しした検査食を召し上がっていただきます。
以降、検査終了までは絶食となります。水分(水・お茶・スポーツドリンク)は飲んで頂いても構いません。
コーヒー・牛乳・炭酸を含むジュース・お酒・ビールは飲まないで下さい。
ラキソベロンR(液体の下剤)1本を200ml以上の水に溶かして飲んでください。
(反応が早い方では夜半から排便することがあります。)
朝食は絶食です。
糖尿病薬は中止です。血圧や心臓系の薬は服用して下さい。抗血栓剤を服用中の患者さんは申し出て下さい。その他内服薬に関してご不明な点はご遠慮なくご相談ください。
検査当日、午前9時に来院いただき、午前中に下剤を飲んでいただいて、昼過ぎから行います。
クリニックに来院後、検査の前処置として洗腸液を1時間程度かけて 1,500~1,800ml服用して頂きます。これにより腸管内に残っている便をきれいに洗い流します(約1~2時間かかります)。
また、その洗腸液を服用して頂く際、水またはお茶を飲んで頂くことがあります。
そのため、当日は水またはお茶(1000ml以上)をご用意して頂くことになります。
便の状態を看護師が観察し、排液が透明になったら検査着に着替えて頂きます。
大腸内視鏡検査は、まず肛門から一番奥の盲腸まで挿入して、戻ってくる時に主に観察を行います。
観察時には押す操作が少ないため苦痛はありませんので、挿入時の内視鏡操作技術が重要となります。それにより軽い麻酔でも痛みのない内視鏡検査が可能となります。 通常は鎮静剤を使わなくても十分、検査できますが、不安な方は最初から鎮静剤を使うことも可能です。挿入時、痛みが出るようなら、その時点で使うこともできます。その都度、ご相談しながら検査を行っています。
検査の所要時間は個人差がありますが、おおよそ30分程度です。
*鎮痛剤を使うと眠気が出るので原則として車をご自分で運転しての御来院はおやめ下さい。
鎮静剤を使用した場合、検査終了後も眠気が残ることがありますので、この場合は意識がしっかりするまでしばらくの時間クリニックにて休憩して頂きます。
健康保険3割負担の場合、検査のみの場合約6,000~7,000円、組織を採取して検査した場合、11,000~18,000円位になります。
ご来院いただいて検査日を予約し、検査前日に飲む下剤と検査食を持って帰って頂きます。
*ポリープの切除をご希望の方には、出血や非常時にも対応できる連携病院をご紹介します。
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